営業はしゃべり倒すだけではNG!お客様からのヒアリングで忘れてはいけない3つの重要ポイントと2つのテクニック

最終更新日 : 2016-10-20 Box

営業職は「プレゼンがうまくないと、話が得意でないとできない職業」と思われがちですが、実は話し下手のトップセールスマンもごまんといます。
私の知り合いには、対人恐怖症の方もいましたが、それでも営業として成果を残し、社内で表彰されるまで成長された方もいます。
一方で「私、話すのが得意なんです」と意気揚々と入ってきた新人は、ことごとく最初の壁にぶつかっていたことを思い出します。

営業マンとして成果を出せるか否かに必要な要素は、実はプレゼンやしゃべりのうまさではないのです。
では何が大事なのか?
そのポイントは、「ヒアリング」にあります。

営業マンに最も大切なスキルはヒアリング力

営業を行う上で、最も大切なことはヒアリングです。
「営業はヒアリングが大切」ということは、営業経験者の方や営業についての勉強を少しでもしたことがある方は、耳にしたことがあるのではないでしょうか。

そもそもヒアリングとは、相手の話を聞くことを中心に情報収集する方法のことです。
つまり、相手のことを知ること、相手の情報を得ることが大切ということです。

これは考えてみれば、当たり前のことです。
お客様が何に悩んでいて、何を望んでいるのか、また何を避けたいと思っているのか、お客様のことをちゃんと理解してさえいれば、頑張って商品の魅力を伝えなくとも、商品は売れます。

私が「営業はプレゼン力やしゃべりではなく、ヒアリングだ」と言っているのはこれが理由です。
私は営業においては、「最後にこの一言が言えればOK」というゴールを設定しています。
その一言とは、「それ、うちの商材だったらできますよ」ということです。

この一言をお客様に向けて発するためには、お客様のことを知り、ホンネを共有してもらい、営業マンであるあなたの一言を信頼してもらえる関係を築くことが大切です。
それがヒアリングの重要なポイントなのです。

ヒアリングを通して得られる2つのポイント

もちろん、うまくヒアリングができた前提ですが、ヒアリングを通して得られることは2つあります。

その2つとは「お客様理解」「お客様との信頼関係構築」です。
「お客様理解」はイメージが付くと思います。
前述した通り、相手の話を聞くことを中心に情報収集をすることです。
ヒアリングを通して、お客様のことをしっかりと知ることが大切なのです。

そして、もう1つは「お客様との信頼関係構築」です。
相手があなたのことを信頼するのは、営業の場面においては、あなたが饒舌に話す姿ではありません。
親身に自分の話を聞いてくれる姿です。

営業マンが、自分の商品のメリットやお買い得のポイントを言葉巧みに話したとしても、いきなりそんなことを一方的に話されたのでは、人によっては「売り込んできた」「丸め込もうとしている」と信頼どころか、不信感を抱くことに繋がってしまいます。

信頼を得られるのは、話上手ではなく、聞き上手なのです。

ヒアリングで最も大切なことは想像力

ここまでで、ヒアリングが営業において最も重要なものだということはご理解いただけたのではないでしょうか。

では、ヒアリングをするために大切なものは何か?
質問力やヒアリングについてのテクニックは多々紹介されていますが、私が最もヒアリングで大切だと考えるのは、『想像力』です。

「なんでお客様はこの言葉を使ったのか?」
「お客様は何があって、こういうことを言っているのか?」

と、お客様の話を聞きながら、想像することが大切なのです。

営業マンがヒアリングするときに心掛ける3つのポイント

営業マンがヒアリングするときに心掛ける3つのポイント

ヒアリングは想像力を働かせながら、是非行ってみてください。
では、さらに一歩進めて、想像力を働かせるために大事なポイントはなんでしょうか。
それは、まず「お客様に話をしてもらうこと」です。

自分で勝手に想像したことは、あくまで想像の範囲を脱することができません。
想像を働かせ、またその想像したことが正しいのかをお客様に確かめる必要が、営業ヒアリングではあるのです。
そのポイントは、3つあります。

1.相手の話をとにかく聞く

最も嫌われる営業マンは、お客様の話を聞かない営業マンです。
いきなり訪ねてきた見ず知らずの営業マンに自分のことを話しているのに、ちゃんと話を聞いていなかったり、話の途中で自分の意見を差し込んできたり、ひどい場合には否定すらしてきたり、そんな営業マンに対してお客様が自分のことをしっかりと伝えようと思ってくれるわけがありません。

まずは、素直に相手の話を聞くことが大切です。

2)相手が話しやすい環境を作る

相手の話をしっかり聞くには、相手がしっかり話してくれることが必要です。
相手がしっかり話してくれるようになるには、話しやすい環境を整えてあげることが必要になるのです。

あなた自身が誰かと話をしていて、話しやすいなと感じる時、相手はどんな聞き方をしてくれているでしょうか?
おそらく、頷いたり、質問を投げかけてくれたり、興味を持ってメモを取ってくれていたりというアクションをとってくれているはずです。

それは、お客様にとっても同じことです。

3)準備をして臨む

何も準備をせずにお客様のことを考えることはできません。
事前準備をしっかりと行いましょう。
法人が相手であれば、会社の規模や業種、また業界全体のニュースなどに事前に目を通しておき、この人は何に悩んでいるのか、これから何をしたいと思っているのか、を想像しておきましょう。

また、想像力を高めるためには、過去に同様の事例や似たお客様がいなかったかを振り返っておくこともおすすめです。

合わせて、自分自身が、今回の打ち合わせや電話などでは何を聞きたいのか・何を知りたいのかを明確にしておくことも大切です。
とりとめなく相手の愚痴を聞いていても仕方ありません。
どういった情報を引き出す必要があるのか確認しておくと良いでしょう。

ヒアリング力を高める2つのテクニック

ヒアリング力を高める2つのテクニック
ヒアリングを進めるためのポイントを3つご紹介しました。
最後に、よりお客様のことを理解できる、聞き出すことができるコツをお伝えしたいと思います。

1)とにかく褒める

とにもかくにも、ヒアリング時にはお客様に気持ちよく話してもらうことが何よりも大切です。
そこで、まず営業マンが出来ることは、相手を褒めることです。

相手も人間ですので、褒められて嫌な人はいません。
また、褒めた後は、お客様に自慢をしてもらうとさらに良いです。
表面的な情報ではわからなかったことが、相手の自慢話によって、裏のエピソードや努力、大切にしていることが見えてくるからです。

2)わかりやすい質問から順番に

いきなり本質を突いた質問や細かい質問をしても、相手は答えてくれません。
また、複雑な質問を突然されても、その質問の背景や意図がわからなければ適切な回答ができるわけもありません。
自分が聞きたいことを明確にしておくことは大事ですが、それをただ聞くだけでは、営業マン失格です。

聞きたいことに対してちゃんと答えてもらえるように、質問の仕方や順番を考えていく必要があるのです。

質問のコツも色々とありますが、まず出来ることは、簡単な質問・答えやすい質問から投げかけることです。
そうすることで、相手も質問に回答することへの抵抗がなくなり、また段階を経ることで質問の意図が次第に伝わり、こちら側が望んでいる答えをもらいやすくなります。

また、難しい質問をする場合ですが、お客様から答えがパッと出なかったり悩んだりしているときは、一緒に考える姿勢を示しましょう。
時には黙って待ってみたり、質問の切り口や聞き方を変えてみたりするのです。

間違ってもやってはいけないことは待ちかねて「◯◯ですよね」と決めつけて、答えを強要することです。これでは、ヒアリングになっていません。

まとめ

営業をすすめるにあたって、ヒアリングは最も重要なスキル・能力です。
しかし、それは決して難しいことではなく、相手に興味を持ち、本当に相手のことを助けたい・もっと良くしてあげたいという気持ちがあれば、自然と出来ることが多いのです。

まずは相手を知る姿勢を持って、営業に取り組んでみてください。

この記事を書いた人 笹田裕嗣

sasada社員数1,000名超の会社で新卒で入社し、1年目からトップの成績を残し、現在は営業代行、営業研修、さらには営業マンの育成を行っている。担当したクライアントは3ヶ月で売上200%増、初の受注獲得の実現等の実績を持つ。また、営業マンの個別コンサルティングでは、全てのメンバーがコンサルティング開始後、1ヶ月以内に受注をあげている。
       「営業で苦しむ人をなくし、営業を楽しめる世界を作る」ことを目指している。

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