目標管理テクニックで達成する組織に変える8個のテクニック
営業をしていて、最も怖いものは何でしょうか。
怖い苦手なお客様でしょうか?
怒ってばかりの上司でしょうか?
本当に怖いのは、「目標達成できない」ことです。
さらに言えば、「目標達成できない状態が慢性化してしまう」ことです。
そのため、営業マン・営業チームは”勝ち癖”をつける必要があります。
勝ち癖が付いている営業マン・営業チームは、やはり成果をあげています。
一方で、勝ち癖がついていない営業は、目標が達成できずにお客様や上司に怯えたり、モチベーションが下がっていたり、と良いことはひとつもありません。
そこで今回は、勝ち癖をつける、目標達成する組織づくりについて、考えていこうと思います。
1.そもそも目標管理とは?
まず、目標には2つの視点で考えることが必要です。
それは「必要性」と「可能性」です。
目標を立てることで、これまで意味を持っていなかった”数字”や”方向性”に意味がつきます。
その意味とは「達成すべきもの」という意味です。
達成すべき、達成しなければならない、ということは、それだけで部下にとっては負担が掛かります。
つまり、「とりあえず」で目標を立ててはいけないのです。
メンバーの負担が増えるだけだからです。
では、どうすれば「とりあえず」を避けられるのか。
それが「必要性」と「可能性」です。
達成する必要がある目標、かつ達成できる可能性がある目標であることが重要なのです。
この両軸がなければ、目標とは言えません。
また、組織づくりに置ける目標の捉え方として大事なことは、「全員が同じ意識を持っていること」「全員が達成しようと思っていること」です。
「全員が同じ意識を持っていること」というのは、定義や認識にズレがないということです。
例えば、とある野球部の目標が「優勝」だったとします。
部員によって「地区大会優勝」「県大会優勝」「全国大会優勝」と同じ「優勝」でも、その定義がズレてしまっていてはダメなのです。
そのズレを防ぐ目標管理の考え方として『SMARTな目標(スマートな目標)』があります。
SMARTは英単語の頭文字を取ったものです。
Specific = 具体的、わかりやすい
Measurable = 計測可能、数字になっている
Agreed upon = 同意して、達成可能な
Realistic = 現実的で結果志向
Timely = 期限が明確
この視点で目標を立てると、「売上アップ」は正しい目標と言えません。
正しく目標を設定するならば、「1年後に売上を前年比2倍にする」など、「期日」「数字」等を使って、目標を作っていくことが必要なのです。
少し前置きが長くなりましたが、目標管理するためには「期日」「数字」は必要不可欠です。
感覚で「なんとなく良さそう」「できていると思う」というフィードバックはしていないのと同じです。
目標管理は数字を使って、マネジメントしていくのです。
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2.管理する側がやってはいけないこと
では、目標を達成し続けるために上司がやってはいけないことは何でしょうか。
改善につながらない数字を追わない
ある時、上司の仕事は「Excelへのデータ入力」ではないか、と思った経験があります。(苦笑)
たくさんのシートがあって、報告するための資料に、たくさんの項目をこしらえて、数字を毎日毎日入れ込んでいる上司がいたんです。
しかし、数字を使って目標管理をすることは、社内の報告用ではありません。
目標を達成するために、今の自分・チームに何が足りないのかを把握するために行うものです。
つまり、多くの項目を設定すれば良い、というわけではありません。
改善・向上させるために必要な項目を”絞って”目標を管理していきましょう。
いつか使う、と思って取った数値のほとんどは基本的に活用されません。
怒るための数字ではない
繰り返しになりますが、目標を管理することは、今行っている活動を改善・向上し、目標を達成させるために行うものです。
ただ、文句を言いたいだけの数字なら取らないことをオススメします。
なぜ、数字を見ると上司・マネージャーは怒ってしまうのか。
理由は簡単です。優先順位がちゃんと付いていないのです。
見た数字の関係や繋がりを意識せず、前月比や実数値をみた感覚だけで、数字の管理をしてしまうと、こうなってしまうのです。
数字だけでしか語れない
数字を取る目的は「改善」するためです。
上司・マネージャーとして、指導や指示をするときは、数字だけでなく、その数字から見えること、仮説をたてることが大切です。
例えば、受注が伸び悩んでいる場合、
ダメな上司「受注が伸び悩んでいるから、もっと営業を頑張れ」
これでは、指示になっていません。
何をすべきか、どうすべきかを伝えなければならないのです。
報告用の数値にしない
メンバーや上司への報告用数値ほど、営業で使えないものはありません。
本当に必要な数字は繰り返しですが、改善するため・よりよくするために数字を取らなければなりません。
ただただ、報告するために数字を並べることは、その作業分だけ時間をロスしています。
また、その作業自体には売上を上げたり、利益をあげたりする効果はありません。
どうしても、数字取りや資料作成は、仕事をした”つもり”にはなれますが、こういったことがないよう、心掛けましょう。
では、上司・マネージャーは「数字をどう使えば良いのか」を、ここからご紹介します。
3.目標達成をするための数字の使い方、8つのポイント
1)最終的に達成したい数字を明確にし、周知する
例えば、テレアポで100件のアポイントを目標にしたとしましょう。
しかし、アポイント100件は最終目標ではないはずです。
営業の最終目標は、受注数や受注金額です。
その過程に、アポイントがあるわけです。
関連記事:電話営業にコツってある?テレアポ極意20選
つまり、最終目標達成のための”過程”の目標(「プロセス目標」)と、「最終目標」を分けて考える必要があるのです。
最終目標をちゃんとメンバーが理解していないと、「なんでこんなことをやっているんだろう」となってしまいます。
2)感覚で言わない。数字を根拠に指示を出す
目標を達成するために、指示を出すことがありますが、その指示の根拠として数字を使うのです。
数字を使うことで、メンバーは何を改善すべきかが明確になります。
また、指示を出すときは、最終目標ではなく、プロセス目標で課題を明確にしましょう。
その積み重ねが、成果を上げる最短の方法なのです。
3)数だけでなく、率も追う
もちろん、最終目標は営業において数が大切です。
しかし、営業の効率化を測るためには、”率”の視点も大切です。
アプローチの母数が増えれば増えるほど、例えば1%改善することで、それは10件20件の成果にもなるのです。
4)特定の数字だけを追わない
管理をしていると、著しく悪い数字があると、そこに意識がいきがちです。
しかし、その数字が悪い原因は、前後のプロセスに影響があるはずです。
特定の数字にとらわれないよう、数字は全体をチェックしましょう。
5)数字ばかりで、メンバーを置き去りにしない
数字ばかりと話していると、メンバーの声に疎くなります。
実際に動くのはメンバーです。
モチベーションややる気、不安など、数字だけではない部分にも意識を配れなければ、継続的に成果を出せる、目標を達成できる組織になることはできません。
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6)取るべき数字も改善を重ねる
一回だけ集計した数字で満足しないことです。
営業方法やアプローチの仕方、環境の変化で、取るべき数字は変わってくるはずです。
しかし、目標管理をするための数字は固定化されがちです。
しっかりと自身のチームの方向性に合わせて、今の数字で良いのかを管理しましょう。
7)データの取得方法が適切かも都度見直す
データを取ることが目的になっているマネージャーは意外と多いものです。
メンバーのためにも、できるだけ簡易的にデータを集める方法を作っていきましょう。
さらに、ちゃんと正しいデータが取れているのかも見直す必要があります。
8)最後は、立てた数字をメンバー全員が達成したいと思えるようにする
重複する部分ではありますが、目標達成する組織は、立てた目標に対して、全員が「達成しよう」「達成したい」という想いを持っています。
意味付けを行い、モチベーションを管理して、数字を見ながら改善点を把握し、1つ1つボトルネックを潰していく、これが目標達成できる組織の作り方です。
この記事を書いた人 笹田裕嗣
社員数1,000名超の会社で新卒で入社し、1年目からトップの成績を残し、現在は営業代行、営業研修、さらには営業マンの育成を行っている。担当したクライアントは3ヶ月で売上200%増、初の受注獲得の実現等の実績を持つ。また、営業マンの個別コンサルティングでは、全てのメンバーがコンサルティング開始後、1ヶ月以内に受注をあげている。
「営業で苦しむ人をなくし、営業を楽しめる世界を作る」ことを目指している。