オウンドメディアとは?知らないと損をするマーケティング手法です

最終更新日 : 2016-06-02 Box

オウンドメディアという言葉、聞き覚えはあるでしょうか。
近年、コンテンツマーケティングが注目される中で登場してきた言葉で、トリプルメディア、アーンドメディア、ペイドメディアなどと一緒に使われることが多い用語です。

オウンドメディアは、コンテンツマーケティングにおいて、とても有効な手段のひとつです。一体どういったものなのか、ご紹介していきます。

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1.オウンドメディアとは?

1-1.オウンドメディアは自社所有メディア全般のこと

オウンドメディアとは(owned media)、自社で所有している情報発信媒体のことを指します。
主に自社サイトやブログなどのことを指して使われることが多く、Webマーケティング用語として捉えられがちですが、例えば企業広報誌や製品カタログのような紙媒体もオウンドメディアに含まれます。

また、インターネットが普及し始めた頃、小さな会社でもいわゆるホームページを持つことが多くなりましたが、これもオウンドメディアであるといえます。

オウンドメディアという言葉・考え方は、近年従来の広告の持つ力が弱くなりつつある中で、企業にとって新たな情報発信の場として、こうしたホームページやブログなどが改めて見直されたものです。

ホームページ(最近は、企業のホームページはコーポレートサイトと呼ばれます)やブログなどオウンドメディアから、積極的に自社の情報を発信していくことが重要視されているのです。

1-2.ユーザーとの関係性の構築

オウンドメディアのもうひとつの特徴としては、ユーザーと直接的な関係性を構築できることが挙げられます。

発信した情報に関心を持ってコーポレートサイトやブログを訪れたユーザーは、自社の商品やサービスの顧客となる可能性が高くなります。
ここで、メールマガジンに登録してもらったり、Facebookページにいいねしてもらったりしてユーザーの情報を得ることで、企業とユーザーが直接繋がることができるのです。

オウンドメディアから適切な情報を発信し続けることで、ユーザーは次第に“ファン化”し、優良な顧客へと育成させることが可能となるのです。

1-3.コンテンツマーケティングとの違い?

ここまで聞いて「それって『コンテンツマーケティング』じゃん」と思われた方はどのくらいいるでしょうか。
情報発信をして、見込み顧客を囲い込んでいく手法はコンテンツマーケティングと呼ばれています。

オウンドメディアとコンテンツマーケティングは、こうして見るととてもよく似ているのですが、若干異なるものなのです。

コンテンツマーケティングは、情報発信をすることでユーザーの囲い込みをしていく手法でありますが、その情報発信の方法が自社サイトやブログだけには留まりません。
サービス専用のキャンペーンサイトを作ってみたり、ホワイトペーパーを作って配布してみたり、さまざまなコンテンツを用いるその総称がコンテンツマーケティングなのです。
(リアルの場でのDMなどもコンテンツマーケティングであるとされます)

つまり、オウンドメディアはコンテンツマーケティングの手法のひとつであり、コンテンツマーケティングに内包されているものであるといえます。

2.トリプルメディアとは?

オウンドメディアの考え方は、ペイドメディア、アーンドメディアといった2つのメディアと合わせてトリプルメディアという概念でまとめられることが多いです。
この2つについても解説しておきましょう。

2-1.ペイドメディア(paid media)

ペイドメディアもその名の通り、料金を支払って利用するメディア、主に広告を指します。
Web広告に限らず、テレビCMなどのマス広告やイベントによるプロモーションなどもこのペイドメディアに該当します。

先に「広告の力が弱くなりつつある」とは書きましたが、それでもまだ巨大な市場であることは間違いありません。
適切に利用することで効果を出すことはもちろん可能です。

2-2.アーンドメディア(earned media)

TwitterやFacebookのようなSNSやブログなどユーザーが発信する情報(=口コミ)から自社の信用や評判を上げていくようなメディアです。
拡散力があり、扱いたい商品やサービスについて認知の向上が期待できる一方で、オウンドメディアやペイドメディアのように自分たちでのコントロールが出来ないため、例えば商品やサービスが否定的に捉えられて“炎上”してしまうことも考えられるのがネックな点です。

ただし、公式アカウントによる発信などを上手に行えば、大きな反響を呼ぶことが可能となります。
この点については後に詳しく紹介します。

2-3.トリプルメディアの関係性

オウンドメディアとペイドメディア、そしてアーンドメディアのトリプルメディアは、じゃんけんのような三つ巴になっているわけではなく、オウンドメディアがペイドメディアとアーンドメディアの中間に立つような形の関係性になっています。

トリプルメディアとは

このように、情報発信のベースをオウンドメディアに置き、ペイドメディアとアーンドメディアでオウンドメディアに集客するというイメージです。

関心を持ったユーザーをオウンドメディアに集約させることで、顧客への育成を推進していくことができるというわけです。

2-4.アーンドメディアのオウンドメディア化

アーンドメディアの説明の中で、自分たちでのコントロールが出来ないと書きました。
これは、アーンドメディアがユーザーからの発信で成り立つメディアであるためです。

しかし実は、コントロールがまったく出来ないというわけではありません。
SNSにおいて、TwitterアカウントやFacebookページを作成し自ら情報を発信していけば、ある程度の情報のコントロールは可能となるのです。
フォロワーを増やし、ユーザーに拡散してもらうことで、さらにフォロワーが増えて、と良い連鎖を引き起こすことも充分にあり得ます。

このように、直接ユーザーと接点を持ちコミュニケーションし、“ファン化”させていくという意味では、アーンドメディアであるはずのSNSもある種オウンドメディアのひとつであるとも言えるのです。

3.オウンドメディア運営に必要なこと

オウンドメディアとトリプルメディアの関係や位置づけはご理解いただけたかと思いますが、では、実際にオウンドメディアを運営していくにあたって、どんなことが必要になるのでしょうか?

3-1.質の良いコンテンツを作成する

オウンドメディアを運営するにあたって、ずっと必要となるポイントが、質の良いコンテンツを作成することです。
質の良いコンテンツとは、オウンドメディアに訪問してくれたユーザーにとって有益であることを指します。

オウンドメディアに求められるのは、ユーザーとの関係性の構築です。
ユーザーが読んで役に立つ、面白いと感じてもらえるような記事、楽しんでもらえるコンテンツでないと意味がありません。

従来の広告の代わりとはいえ、ただ売り込むことだけを意識したコンテンツでは、ユーザーは離れてしまいます。
繰り返しになりますが、訪れたユーザーがファンになってくれることを意識してコンテンツを作成しましょう。

質の良いコンテンツを作ることは、SEO的な視点からもとても有効です。
コンテンツは記事が主になるかと思いますが、キーワードをページごとに設定した上でユーザーの役に立つ質の良いコンテンツを作成していくことで、検索順位も上がっていきます。

検索順位が挙がれば、ペイドメディアやアーンドメディアから以外の集客を期待することができるようになり、さらなる効果が生まれることになるのです。

3-2.辛抱強く続ける

かつて、テレビCMを流せば商品が飛ぶように売れたという時代もありましたが(現在もテレビCMには一定の影響力はもちろんありますが)、それと同じように考えてはいけません。
オウンドメディアを立ち上げて記事をいくつか書けばすぐに売上が上がる、とはいかないほうが多いのが現実です。

コツコツとコンテンツを増やし、適切なタイミングにペイドメディアで集客を図り、アーンドメディアでの反応を見ながら次のコンテンツを用意し・・・と少しずつ土台を組み上げていく必要があるのです。

オウンドメディア、トリプルメディアの目的は、従来型の広告に代わって商品やサービスの顧客を増やすことにあります。
そのためには、ユーザーと関係性を着実に構築していくことが重要です。

これはオウンドメディアに限らず、コンテンツマーケティング全般に言えることですが、なかなか効果が上がらず苦戦することもあるかもしれません。
そんな中でも、辛抱強く続けることが必要です。

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