デジタルサイネージとは?その仕組みやメリットを解説
ここではデジタルサイネージについて紹介します。
たとえこの言葉そのものを聞いたことがなくても、説明を読めばどんな人もまず確実にしかも日常的に接しているはずであり、それだけ社会に大きな影響を及ぼしている存在ですから、基本的な知識は常識として把握しておいたほうが良いでしょう。
デジタルサイネージとは?
デジタルサイネージとは、英語ではdigital signageであり、これを日本語に訳すと電子化された看板という意味になるでしょう。
世の中に看板や標識と言えるものはいくらでも存在していますが、デジタルサイネージは、電子化されていない看板と比較して考えると比較的分かりやすく、また頭にも入って来やすいです。
電子化されていない看板とは、例えば金属製、木製、プラスチック製などのものを指し、その板状の表面に文字や図柄などが書かれたもので、もちろん街中にいくらでもあるでしょう。
そのような材質でできた看板ではなく、テレビやパソコン、スマホのようなディスプレイを持っており、文字や図柄などをディスプレイに映し出すタイプの看板がデジタルサイネージということになります。
ちょっと日常生活を振り返ってみれば誰でも日常的に接していることに思い当たるはずで、仮にそうでないとすれば全く見ていないからではなくて、あまりにも日常空間に溶け込み過ぎているためにかえって意識しないからでしょう。
デジタルサイネージの歴史
デジタルサイネージの歴史ですが、当然ながらテレビのようなディスプレイ装置がないことには実現不可能です。
ところが、テレビそのものは1930年代にはある程度実用化が進んでいたものの、それがサイネージつまり看板として用いられ始めたのはもっと後の時代になってからです。
いくら遡ることができたとしても、サイネージとして用いられ始めたのは1970年頃と言われており、これはコンピューターの発達と関係していると考えられます。
後で紹介しますが、デジタルサイネージのメリットを十分に活かすためには単にテレビのような電子的なディスプレイ装置があることだけでは不十分で、コンピューターが発達し、それによってディスプレイ上に映し出すものを自動的に制御できるようになることが大きな要因だからでしょう。
そして、多くの人が日常的にこれを目にするようになるのは1990年代も半ばを過ぎてからのことです。これが何に関係しているかはだいたい想像がつくでしょう。
即ちインターネットです。単なるスタンドアロンのコンピューターではなく、ネットワークにより結びつけることができるようになったという点も、デジタルサイネージがよりその強みを発揮するために大きく寄与しました。
主に利用しているシーン
デジタルサイネージが主に使われているシーンですが、一番分かりやすいのは広告でしょう。デジタルでない看板も広告が多いでしょうが、それの電子版であり、企業や商店が自社や自社の商品をアピールするために用いられています。ですが決して広告だけではありません。
通勤電車の中でニュース番組や天気予報を表示しているシーンに思い当たる人もいるでしょう。さらにはアートの一環としてとか、エンターテインメントのために使われることもあります。
デジタルサイネージのメリット
デジタルサイネージのメリットですが、これはまさにデジタル化されていない看板などとの比較で考えてみると良いでしょう。
一度書いて設置すると容易には変更しがたい従来型の看板と比べていろいろなメリットがあることに即座に思い当たるはずです。
1.訴求対象に合わせることができる
テレビが時間帯によって異なる番組を放送しているとの同様、デジタルサイネージは訴求したい対象に応じて映し出すものを変えることができます。
例えば、同じお店であっても、日中と夜間では訪れる客層が異なるということもあるでしょう。
そういう場合、従来型の看板では客層に応じて表記を変えるなどということは、看板そのものを取り換えでもしない限り不可能ですが、デジタルであればコンテンツを変えるだけで容易に変更することができます。
電車の中であっても、ニュースを知りたい人もいれば天気を知りたい人もいるでしょうし、あるいは最近のトレンドを知りたい人もいるでしょう。
対象に合わせて柔軟に映し出すものを変更できるというメリットがあります。
2.一括更新が可能
これはまさにネットワーク化の賜物です。従来型の看板が複数箇所に設置されていた場合、表示を更新しようと思えば全ての看板を取り換える必要があり、数が増えれば増えるほどその労力は大変なものになります。
ところがデジタルサイネージがネットワーク化されていれば、中央で一括してコンテンツを更新することが可能で、それぞれの設置場所で一つ一つ更新作業をするような必要は一切ありません。
多くのサイネージを運用している場合には非常に大きなメリットです。
ただし、もちろんこれを達成するためには複数あるサイネージがネットワーク化されていることが必要で、ただデジタルサイネージを利用していさえすれば自動的に達成できるわけではありませんからその点には注意する必要があります。
3.動画で流すことが出来る
デジタルの非常に大きなメリットであり、従来型の看板では到底達成しようがない点が動画で流すことができるということです。
従来型の看板はいわば静止画ですが、静止画と動画とでは情報量や訴求力は比べ物にならないというのは容易に理解できるはずです。
静止画の看板を見てもただそのまま通り過ぎてしまう人も多いかもしれませんが、動画だと思わず足を止めてしばし見入ってしまったというような経験を持つ人はおそらく枚挙にいとまがないでしょう。
もちろん、静止画に比べると動画はその制作に時間も労力もかかりますが、今ではデジタルサイネージに適した動画を制作してくれる会社などもいくらでもありますから、思ったほど高いハードルではありません。
4.広告メディアにはない可能性
従来型の看板も含めて、一般的な広告メディアにはない可能性をデジタルサイネージは持っています。
そのキーワードは双方向性というか、インタラクティブにできる可能性があるということです。
これはあくまでそのようにすることも可能という意味であって、全てのデジタルサイネージがその性質を現に有しているわけではありません。
従来の看板はただ見てもらうだけという一方向の情報伝達経路しかないでしょう。
テレビ広告や雑誌広告、インターネット広告などの広告メディアも、その表現手法は様々に発展を遂げてきていますが、情報伝達経路ということに関して言えば基本的に一方向です。
看板を見た人、広告を見た人がお店にやってくるとか商品を購入するといった行動を取ることはもちろんありますが、看板や広告そのものに対して顧客が何かアクションを起こすことはあり得ません。
ところがデジタルサイネージの場合、例えばタッチパネル式のディスプレイを採用するなどの手法を取り入れることが可能で、ユーザーが自らそのサイネージに対して何らかのアクションを起こし、それに対してまたディスプレイに表示する内容を変えるといった双方向型のやり取りを実現可能という点がメリットになります。
ビジネスパーソン向けデジタルサイネージ広告「VIFT」
デジタルサイネージ広告「VIFT」では、東京23区のオフィスビルを中心に300台のデジタルサイネージを設置。
オフィスビル向けだからこそ、多くのビジネスパーソンにアプローチが可能なデジタルサイネージ広告となっています。
興味のある方はこちらより媒体資料をご覧ください。
まとめ
ここまでデジタルサイネージについて説明してきましたが、単に電子的な看板という言い方だけでは十分でないくらいに既に広く使われており、また可能性という点でも大きいということが理解いただけたのではないでしょうか。
街中にある企業や商店などのデジタルサイネージは確かに従来型の看板の延長線上にあるものでしょうが、電車の中にあるサイネージは、看板という表現があまり適当とも思えないくらいに、それが登場する前にあった何かの延長線上にあるようなものとは言えないかもしれません。
これは一つの例で、デジタルサイネージは今後も新しい発展の可能性を持っていると言えそうです。