NPSとは?顧客満足度とは違う指標とその計測方法を解説

最終更新日 : 2020-03-25 Box

NPSはネット・プロモーター・スコア(Net Promoter Score)のことで、顧客ロイヤルティと呼ばれている企業やブランドに対する信頼や愛着などの度合いを数値化することが可能です。NPSが上位にある企業は高い成長率を維持していて、導入することによって収益向上を実現することができます。

NPSは世界中の企業で活用されている

NPSはこれまで計測するのが難しかった、顧客ロイヤルティを数値化できる指標になります。例えば商品を友人や家族にどのくらいすすめたいか0~10点で点数付けして下さいなど、さまざまな質問を企業で利用しています。

この指標はアメリカ大手コンサルティング会社が発案していて、世界中のいろいろな企業が有効性を証明しその後急速に広がりました。現在NPSは欧米の売上上位企業の1/3以上が活用していて、この指標を使って顧客サービスに対してロイヤルティを計測しながらサービス改善に取り組んでいます。

NPSの計測方法

NPSを計測する場合、例えばある商品を友人にすすめたいか質問し、0~10点によって評価してもらいましょう。中でも0~6点を付けた人が批判者になり、7~8点を付けた人が中立者です。

9~10点を付けた人は推奨者として分類していきます。この推奨者の割合から批判者の割合を差し引いた数値が意味していて、推奨者が増えれば増えるほど数値は高くなっていき、批判者が減っていくほど数値は高くなるよう設計されています。回答を集めたら、次に何が影響を与えているか分析しましょう。

NPSに影響しているものが何かを分析することができれば、NPSを目的変数にして顧客体験を従属変数にした重回帰分析目的変数や、顧客体験を従属変数にした重回帰分析などの統計分析を活用するのもおすすめです。

難しい場合NPSに対し何がマイナスだったりプラスに影響しているのか、平均点を比較するという方法もあります。例えばアパレルショップの場合、NPSを利用して何が影響しているか深く掘り下げ調査した結果、顧客体験において店員の接客が最も影響することが分かりました。

詳細に分析したところ店員の接客には親身さはプラスに影響していましたが、レジ対応が評価を下げていることが把握できました。何が影響しているか細かく分析することにより、具体的な課題を理解することができたり利益に直結するような対策を考えることが可能です。

顧客満足度とNPSの違い

顧客の意見を聞く指標として顧客満足度は多くの企業で利用されています。顧客満足度とNPSにはいくつか違いがあり、ポイントとして収益性と連動するかという点があげられます。

NPSの場合は商品をすすめたいですかという質問を行い、他者にすすめるという未来に対する行動を点数化するので、今後の収益性などと連動するとされています。さまざまな業界で行われていて、例えば自動車業界においてNPSと販売台数の年平均成長率は強い相関関係にあると示されました。

健康食品通販の大手サイトの場合、NPSが高いサイトになると一年以上継続しながら利用する顧客の割合が高いという結果でした。異なる業種であっても売上や成長性などと深く関係していることが分かるでしょう。

顧客満足度調査の場合、満足度を点数化して評価しますが基本的に現時点における評価を聞いただけになります。実際離反客の内80%は直前の顧客満足度調査では満足していると答えていた調査結果があり、満足度調査を行って満足度を向上させるさまざまな施策を実施しても、売上には繋がらないというケースが多いです。

NPSのメリット

NPSにはいろいろなメリットがあり、シンプル指標により定量化を可視化することができたり、他社サービスと比較することが可能です。スタッフのモチベーションをアップすることができ、業種に関係なく活用することができます。

シンプル指標を使って定量的に可視化できる

NPSは一つの質問だけで行うことができ、計測方法がシンプルです。経営層や現場スタッフなど、数値の概念が分かりやすく浸透しやすい指標になります。そのためNPSの10ポイントを目指そうなど、一丸となって目標に取り組みやすくなっており目標の振り返りを簡単に行うことが可能です。

競合サービスと比較できる

NPSは世界共通指標で、競合している商品やサービスと自社のものを比較することが可能です。指標として可視化することができ、自社サービスが他社と比較してポイントで劣っているなら、どの部分を改善しなければいけないか検討することができます。

モチベーションの向上に繋げることが可能

接客をしないスタッフの場合、顧客の声を聞くチャンスがないので、自分の業務がきちんと役に立っているか見えづらい部分があるでしょう。NPSによる目標や実績の振り返りがあると、ポイントが改善したり悪化した際に自分がどう貢献することができるか考慮するような機会に繋げることが可能です。顧客対応を改善することができ、スタッフが意欲的になってさまざまな業務に対応することができます。

NPSのデメリット

NPSにはデメリットがあり、売上と関連しないケースがあったり、プランがないと改善にならないこともあるでしょう。問題を修正できるスタッフを揃えるなど、事前準備に時間やコストがかかることもあります。

売上との関連が必ずあるとは言えない

NPSは売上と相関関係などは強いですが、しばしば業績とは結びつかないようなケースがあります。売上に結びつかないケースとして、例えば推奨者が他の利用者にすすめるとは限らなかったり、薦められた利用者が必ずサービスを利用したり商品を購入をするとは言えないからです。そのため計測する場合、売上も一緒に観察しきちんと成果に結びついているのか確認することをおすすめします。

アクションプランがない場合は改善に繋がらない

NPSを利用したフィードバックを観察すると、スコアが低い場合、何が原因だったりどう改善すれば良いかすぐには分からないでしょう。いくつかフォローアッププランがあり、例えば問題を究明するのに細かいアンケートを作成したり、問題を修正することができるスタッフを確保するなどが対象です。結果やフォローアッププランを合わせて、成果がアップするよう取り組むことが大切です。

NPSにはいろいろな活用方法があります

NPSを活用した具体的なアクションプランを作成することによって成果を得た企業が多いです。例えば高級ホテルの場合、NPSを活用することで稼働率を改善することができました。

もともと顧客満足度について調査しており、5点満点中3.8~4.2という推移で、批判的な回答がある場合はサービス改善を行いました。しかし点数の改善に繋げることができず、決め手に欠けるような状態が続いています。

このような状態の場合クレーム対応ではなく、ホテルのファンを増やす施策として導入することになりました。まず行ったのはホテルと顧客に関する接点をスコアにすることで可視化します。

ホテルを利用する場合想定される接点として、例えば情報収集してから予約するまでや、予約しホテルに到着するまでなどが対象です。ホテル滞在中やアフターフォローなどについてスコアの可視化を行うことにより、客室での体験や観光地での体験といった要素が低いスコアにあることを理解することができました。

このような体験に関してコメントを分析した結果、部屋にあるアメニティの充実度や観光地での満足度などが、顧客の期待値にまで達していないことを把握します。顧客層に対応したアメニティを充実したり、観光地の楽しみ方などを積極的に発信するようになり、その結果NPS数値は12%アップすることに成功しました。リピーターが増えるようになり、稼働率も前年比を上回ることになります。

まとめ

NPSは企業や商品・サービスへの思いといった顧客ロイヤルティを指標として可視化する仕組みです。

売上と相関関係が強く、指標の一つとして活用している企業は多くあります。さまざまなツールを活用すると簡単に可視化することができ、自社に合った導入方法をおすすめします。

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