リードスコアリングのメリットや手法、スコアリングをする時の注意点を解説

最終更新日 : 2021-04-21 Box

マーケティングオートメーションを略してMAと呼びますが、MAを活用するためにはいくつかのことについて理解しておく必要があります。

リードスコアリングはその中の1つになるけれども、最も重要なことですからしっかり理解して自社の業務にMAを役立てることが大切です。

今回はリードスコアリングとはどのような意味を持つもので利用する中での注意点には何があるのかわかりやすく解説していきます。

リードスコアリングとは

MAツールを使ったリードナーチャリング(見込み客を育成すること)では、顧客の購買意欲・検討状況などの顧客状況を適切に評価を行い相手に対して適切なタイミングでフォローが求められます。

顧客の状況はそれぞれ異なるわけで、このような多くのリードを抱えている中ですべてのお客さんに対してフォローをするためには、事前に属性・行動などに応じて想定される検討の進捗状況に応じたスコアリングが重要になってきます。

スコアリングを行ったことで次に行うべき部分は優先順位を設けるなどであり、これらを一つずつ段階を経て行うことがMAの有効活用にさらなる効果を期待できコツに繋がる部分です。

これらのことからも、見込み客を育成するためには相手に対してリードを多く持たせる、それぞれに数値化でもあるスコアリングを行う、この流れを称してリードスコアリングと呼びます。

国内と海外のリードスコアリングにおける現状の違い

MAは主に海外での導入が先行しているといわれていますが、特に欧米諸国においては複数の切り口から個々のリードをスコアリングを行って、見込み客の育成を進めているのが現状です。

最近は、この試みを進化させる形で自社製品やサービスとお客さん側のビジネスとのフィット度合いについてのスコアおよび顧客の行動テータに基づいた形でスコアを組み合わせて、それから3週間以内などの目標の中で購買確率を予測する、多様なスコアリングの組み合わせを実行し将来の客の行動確率を予測するなどの考え方が主流になりつつあるようです。

行動データは、見込み客となるユーザーによるウェブへの訪問履歴、ホワイトペーパーのダウンロードおよびフォームへの入力、メールマガジンなどEメールの開封履歴やメール内のリンクへのアクセスなどです。

リードスコアリングによるメリット

リードスコアリングの概要についてご紹介しましたが、リードスコアリングにはどのようなメリットがあるのだろうか、このように感じている人も多いのではないでしょうか。

ここでは、リードスコアリングを利用したときのメリットを解説します。

1.営業とマーケティングの連携

組織内には部門間での対立がある、このような悩みを抱える会社も多いかと思われますが、特に営業とマーケティングはその代表といっても過言ではありません。

営業はマーケティング部門に対して質の高いリードがコストセンターである、マーケティング部門は確実に成約および購買に至るリードでなければ満足しない、双方に考え方の相違がみられます。

本来営業とマーケティングの目的は同じであるべきですが、双方に対立的な意識を持つ理由の中には、部門間を接続するシステムやルールが決まっていない、お互いの業務そのものを理解していないなどがあげられます。

マーケティングは営業に引き渡すリードに対して、質を担保する根拠を同時に提供できる、これがMAおよびリードスコアリングを活用する利点につながる部分です。

営業はマーケティングから得た情報を受けて適切なアプローチができるようになる、双方の理解が深まり互いに協力し合い一つの目標を達成するための体制作りにも良い影響を与える、このような利点がリードスコアリングに存在します。

2.営業活動の効率化もリードスコアリング利点

スコアが高くて購買意欲が高い、このような判断が可能なホットリードを抽出した後は即座に営業担当者によるアプローチを実行します。

購買意欲が高いのかそれとも低いのか良くわからない相手に手あたり次第アプローチをするよりも購買意欲が高い少数の顧客にアプローチをしたほうが効率的な受注につなげることが可能です。

適切なリードスコアリングはリードを振り分けることができるため、営業への負担および手間を軽減させることが可能になって来ます。

3.顧客情報の活用化で定期的なアプローチが可能になる

リードスコアリングの場合、ホットリードの選別だけでなく低スコアのリードの洗い出しでもあるコールドリードも可能になります。

コールドリードは、現在は低スコアではあるけれども見込み度合いが上昇してホットリードになる可能性もあるなどから、アプローチの除外から外すよりもマーケティング担当からの継続的なアプローチを続けることでスコアが変化したタイミングを掴めるよう準備しておきましょう。

コールドリードに対してのマーケティング施策は多数あるためステップメールを活用して段階的なアプローチやアクセス解析を使い興味関心に対する定期的なアプローチを続けることで見込み客情報を最大限に活用できます。

4.ホットリードの選出で効率化を図れる

ホットリードとコールドリードは、スコアがどのくらいの点数になったらアプローチをかけるべきか、定義を行うことで無駄なアプローチを減らせますししつこく顧客にアプローチを行えば逆効果ですから、ホットリードの選出は重要な作業です。

仮に、リードスコアリングにより数値化されていなければ担当者レベルでの勘を使った当たりで行うのでばらつきが生じてしまいますが、リードスコアリングは膨大なリスト情報から今アプローチをすべきホットリードを効率的に抽出可能にします。

スコアリング前の取り組みについて

リードスコアリングは、リードに対する評価を行ってそれを点数で表現する手法です。

見込み客に対して把握することができた情報を可能な限り自動的にスコアに置き換える、このような前準備が必要不可欠です。

リードスコアリングのスコアの元になる情報は大きく分けて3つあり、外面的情報・内面的情報・行動情報です。

外面的情報とは、見込み客が所属している企業の規模・業種・部署・役職など直接見込み客と対話をしなくても外部から見てわかる情報です。

内面的情報とは、見込み客の検討フェーズ・課題・嗜好・現在導入しているサービスに対する不満、主に見込み客とのコミュニケーションを図ることでわかる情報になります。

行動情報とは、見込み客となる顧客がセミナーへの参加をしたり、ウェブサイトの閲覧やサイト内から資料のダウンロードを行ったなど、本人の行動からわかる情報を指します。

スコアリングする項目

リードスコアリングには、3つの情報を集めて整理することが重要になりますが、ここではリードスコアリングを行う項目について解説します。

1.顧客の属性

見込み客企業の業種・規模・競合する商品やサービスに利用状況など、商談に進めることができる可能性や商談の規模そのものは変わります。

コンタクトできている顧客が商品やサービスの導入などの検討をしているとき、意思決定権限や社内の中でも発言権を有しているか否かなども成約の可否に影響を与える部分です。

スコアリングのときには、このような顧客の属性も考えておく必要があるため注意が大切です。

2.顧客の興味

見込み客が、自社の製品やサービスに対してどのくらい興味を抱いているのか、これは行動履歴から予測することもできますし、展示会やセミナーなどへの参加・ウェビナーの視聴や無料トライアルの利用、比較表や料金表の閲覧履歴などの行動は、将来的に導入および購入の検討段階と密接な関係にある部分です。

このような行動を把握することでどのくらい自社の商品やサービスに興味を抱いているのかを把握できる、その結果それぞれにどのようなフォローをすべきかを判断できるようになります。

3.顧客のアクティビティ

見込み客の行動が把握できても、その行動が最近行われたものであるのか数か月前のものであるのか、タイミングに応じて興味や関心の高まりレベルには差が生じます。

仮に、数か月前に頻繁に行動していた場合などでは既に他社の製品購入やサービス利用を始めているかもしれない、何らかの理由で検討を一旦中断しているかもしれません。

数週間の中で頻繁にサイトへのアクセスを行っているときいは直ちにアプローチをかけることで商談につながる可能性もあるなど、それぞれの状況に応じた適切なスコアを設けてて適切なアクションを心がけましょう。

4.BANT条件

BANT条件は、法人営業を行うときにヒアリングしておくべき4つの項目の頭文字を取ったもので、予算・決裁権・必要性・導入時期を意味します。

見込み客が、売り込みを考えている商品やサービスを導入する際の予算が確保されているのか、予算はどのくらいの金額であるのか把握します。

次に、導入の決裁権を持つ人は誰で、誰に売り込めば良いのかを把握しておきます。取引先が持っている必要性を引き出して導入可能な時期を確認しつつ売り込みを行うことで成約に結び付く、このような流れでマーケティングを進めることをBANT条件によるヒアリング手法を用いた営業術です。

リードスコアリングする時の注意点

リードスコアリングのコツを掴んだけれども、注意点を知らないと効果を期待できなくなる恐れもある、このように考える人も多いといえましょう。

ここでは、リードスコアリングを行う際の注意点についてまとめてみました。

1.スコアリングだけで判断しない、依存しすぎない

リードスコアリングはMAツールなどと組み合わせて機械的に加点・減点を行うケースが多くありますが、このようなスコアリングは表面上では読み取ることができないニーズを見逃してしまうリスクが存在します。

リードスコアリングを行う3つの項目には属性・興味・アクティビティがあるわけで、属性は数値化しやすいものの興味やアクティビティについては顧客の行動が大きくかかわる動的なもの、それゆえに数値化することが難しいものになりがちです。

そのため、スコアリングの設計の中ではリードが実際にどのような行動を経て成約に結びつくのか、顧客の行動全体を可能な限り詳細な仮説を立てておく必要があります。

2.全ての行動のスコアリングを行わない

リードスコアリングは、他との行動を点数化することですが、資料請求やウェブサイトからの問い合わせなどの行動はスコアに反映する必要がない項目です。

その理由の中には、このようなアクションを行った見込み客の場合、導入検討のフェーズがあるなどがあげられます。

PDCAサイクルが重要

PDCAサイクルは計画・実行・評価・改善の4つのサイクルを回して行くことを意味します。

これは、どのようなビジネスプロセスにおいても重要とされますが、その中でもプロセスの評価・検証・最適化の3つは常に欠かすことができない作業です。

リードスコアリングは高いスコアや低いスコアなどのよう評価を行うけれども、これらの設定がずれていると正しい結果を得ることができないためです。

当初に設計したように正確なスコアリングが期待できないときには、速やかに原因究明および改善を図る必要があります。

リードスコアリングまとめ

リードスコアリングは、見込み客に対して点数をつける、購買意欲の高い見込み客に対するアプローチを可能にする手法です。

アプローチの優先順位を設けることは、これらのマーケティングには欠かすことができない手法、MAツールを導入した際には適切なスコアリングを作り、改善を繰り返して効果そのものを最大限に発揮すると良いのではないでしょうか。

 

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