アイデアを生み出すSCAMPER法のやり方や例とポイントを解説!

最終更新日 : 2022-04-18 Box

SCAMPER法はアイデアの深堀りや発展に使えるフレームワークです。

アイデア出しに行き詰まったときや新たなアイデアを欲しているときにピッタリだと言えます。

基本的な特徴や使い方のポイントまで解説するので、SCAMPER法が使いこなせるようにしておきましょう。

SCAMPER法とは?

ボブ・エバール氏が提唱した、オズボーンのチェックリストをアレンジしたフレームワークがSCAMPER法です。

既存のアイデアに7つの質問を実施することで、アイデアを発展させたり新たに生み出したりできるようになります。

SCAMPER法の名前のアルファベットは、7つの質問を頭文字で表していることを知っておきましょう。

0からアイデアを生み出すための手法ではなく、既存のアイデアを他の角度から見ることで新たな発想を得る手法だと言えます。

何もない状態で用いるのではなく、ある程度アイデアを出した上で更なる案や新たな案を欲するときに活用することが一般的です。

SCAMPER法のメリット

SCAMPER法を活用することのメリットは、短い時間でアイデアが量産できる点だと言えます。

短時間で考え出そうとしても、全く思いつかなかったり、内容の質が悪くなったりすることが多いです。

SCAMPER法はベースとなるアイデアについて、7つの質問に当てはめるだけで簡単にアイデアを見つけることができます。

ビジネスシーンでは迅速に考えを出すように指示されることも多いですが、SCAMPER法を知っていれば時間内に質の高い案が思いつく可能性が高いです。

SCAMPER法のやり方

便利なSCAMPER法を使いたいのであれば、具体的な方法を知っておく必要があります。

7つの質問と一緒に使い方を説明するので参考にしてみましょう。

Substitute(代用する)

Substitute(代用する)では、何か代わりにできるものがないか考えます。

モノだけにこだわる必要はなく、人や製造法、場所などのあらゆる内容に対して代用品を考えていくことが可能です。

コストを抑えるために代わりとなる原料はないか、店舗スペースとして活用できる場所がどこかないかなど、代用品を模索していきます。

販売するサービスや店舗、製造する人材などで代用品を探せば、今までとは違った製品づくりやサービス提供実現に繋がるアイデアを獲得できる可能性があるでしょう。

この時点で、多くのアイデアが生まれることも多いです。

Combine(組み合わせる)

SCAMPER法のCombine(組み合わせる)では、既存の製品やサービスを組み合わせることで新たな効果や価値が創出できないか考えるステップだと言えます。

スマートフォンを例にあげると、これは通話機能だけでなく公共交通機関の運賃の支払い機能や電子決済機能、音楽や動画の再生機能、アプリのインストールや利用機能などが搭載されているケースが多いです。

従来の携帯電話に新たな機能を組み合わせることで、それまで以上の価値のある製品が誕生しています。

ドラッグストアで食品の販売を行うようなアイデアも、Combineから生み出されたものだと言えるでしょう。

Adapt(適応させる)

Adapt(適応させる)は、過去の成功例や戦略、似ている製品やサービスを適応させることができないかどうか考える方法です。

ベースとなるアイデアに対して、他にどんな使い方ができるだろうか、似たようなものがないだろうかと問いかけることで答えを導き出せることが多いと言えます。

たとえば、保冷や保温ができて手軽に飲めるアイテムをつくりたいとき、水筒や魔法瓶の原理を参考にタンブラーをつくることができるでしょう。

様々な製品や事例に当てはめていくことによって、新たなアイデアを見出せるようになるのがAdaptだと言えます。

Modify(修正する)

SCAMPER法のModify(修正する)は、サイズや形状、カラーや動きなどを変更して新たなものを生み出すための質問です。

修正することによって、使い勝手の向上やデザイン性のアップを期待することができます。Modifyの過程では機能や性能を向上させることだけを重視してしまう人も多いですが、反対にシンプルな内容に変えることもModifyです。

例をあげると、複雑な仕組みであったものをシンプルな仕組みで考え直せば、誰でも利用できる製品を考え出せるようになります。

既存の製品などで修正したほうが良い点を探す作業なので、アイデアが見つかりやすいです。

Put to other uses(その他の使い方)

Put to other uses(その他の使い方)では、本来とは異なる使い方を考えていくことになります。

自社が既に持っている技術を、他の分野や市場で活用することができないかどうか考えるのも、このステップだと言えるでしょう。

実際の例を参考にすると、フィルムをつくっている会社が自社のノウハウを活かして化粧品やサプリメントなどの開発を手がけているケースもあります。

技術だけでなく製品でも別の使い方を考えることができ、新たな使い方を提案することで同じ製品でも今までとは異なったターゲットまで獲得できるようになるでしょう。

Eliminate(取り除く)

SCAMPER法のEliminate(取り除く)は、機能や仕組みを絞り込むやり方です。多彩なメニューを提供していた飲食店が経営難に陥ったとき、人気が高いメニューだけに絞ることで成功している事例もあります。

手広く事業を展開することを考えがちですが、何を取り除けるか、どこまで取り除いて平気か考えることも重要な思考だと言えるでしょう。

製品に関しては修正の作業と似ていますが、不要な機能を排除していくことでコストカットやユーザーの利便性に繋げられることもあります。

既存のものから削っていく作業がEliminateだと覚えておくと良いです。

Rearrange・Reverse(並べ替える・逆転する)

Rearrange・Reverse(並べ替える・逆転する)は、商品やサービスに関する手順や順序、立場などを入れ替えるやり方だと言えます。

かつては無料で提供していたサービスを有料化することで、本当に興味や関心がある人だけ、意識が高い人だけ参加できるようにすることが可能となるでしょう。

製造の際に順番を変えることで製造工程を減らすことができたり、人件費を削減できたりすることもあります。

既に存在しているものを並べ替えたり、逆転の発想で考えたりするだけですが、大きな変化が期待できるアイデアに繋がることが多いです。

SCAMPER法を行ううえでのポイント

SCAMPER法を取り入れる前には、いくつかのポイントを知っておくべきだと言えます。

ポイントを押さえておくことで、SCAMPER法を効果的に活用できるようになるでしょう。

1.アイデアに優劣をつけずにまずは出してみる

優劣をつけずアイデアを出していくことが重要です。つまらない、実現不可能だなどと感じるアイデアでも、実は良いものに変化してくれる可能性を秘めています。

アイデアの質を考えていると量産できないだけでなく、ありきたりな発想だけになってしまう恐れもあるので要注意です。

2.短時間で行う

SCAMPER法を実施するときには、短時間で実施することも大事にしてください。

時間をかけるほど良い内容が生まれるわけではありません。集中してどんどんアイデアを出すことが大事なので、10分から30分程度で実施することが好ましいです。

熟考して考えをまとめる人もいるはずですが、SCAMPER法を使うときには短時間での実施を心がけておきましょう。

SCAMPER法まとめ

ビジネスでアイデアを出す必要があるときには、SCAMPER法を役立てることができます。

いつも同じようなアイデアしか浮かばない、長い時間をかけないと思いつかないという人でも、SCAMPER法でスムーズに新たな発想に結びつけられる可能性が高いです。

これは誰でも簡単に使えるフレームワークだと言えます。

紹介した特徴や使い方のポイントをきちんと理解しておき、SCAMPER法を上手に使えるようにしておくと良いでしょう。

 

その他の便利なフレームワークはこちらで解説しています。

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