動画制作において最適なアスペクト比や計算方法を解説!

最終更新日 : 2022-04-25 Box

アスペクト(Aspect)とは「外観」や「様相」を意味する単語で、「アスペクト比」は動画を制作する上で避けて通ることができない大変重要な要素のひとつとなっています。

ここでは代表的な6つのアスペクト比について解説します。

アスペクト比とは?

アスペクト比は四角形における縦横の比率のことで、動画配信に関しては視聴する媒体によって適切なサイズがあります。

スタンダートは正方形に近い比率でワイドは横に長い比率となりますが、一度決定してしまうと簡単に変更できないため、動画制作後に変更を修正すると時間がかかるばかりか映像に伸び縮みが発生したり、画面に余白ができてしまうこともあります。

そのため誤ったアスペクト比で制作してしまった場合は視聴しづらくなり、意図したイメージ通りに見てもらえなくなる可能性が高くなることも少なくありません。

動画の制作を検討する場合は、実際の編集作業に入る前に最適なアスペクト比がどれなのかを理解しておくことが大切です。

アスペクト比の計算方法

アスペクト比を求めるには、まず横と縦の最大公約数を求める必要があります。

最大公約数は割り切れる最大の数値のことで、その値で縦と横を除算して算出します。

例としては、縦が768ミリで横が1024ミリの場合の最大公約数は256となるので縦横を256で割るとアスペクト比は4:3となります。

主なアスペクト比

アスペクト比には「4:3」やワイドの「16:9」、スマートフォンの普及で増えた「1:1」などがあります。ここでは主なアスペクト比に関して解説していきます。

アスペクト比 4:3

「4:3」のアスペクト比は、2011年7月24日に地上波アナログ放送が終了まで主流だった比率で、「スタンダード」とも呼ばれた正方形に近い画面のサイズを指します。

デジタル放送となった現在ではこの比率で動画が制作されることも少なくなりましたが、使用するプロジェクターやスクリーンによっては画面の比率が4:3のものが今でも存在します。

また、中高年の年代にはなじみ深い縦横比であるため、当時のなつかしさや雰囲気を演出するために、カラオケなどで使用されるミュージックビデオなどをこの「4:3」規格で制作する事例も稀に見ることができます。

アスペクト比 16:9

「16:9」のアスペクト比は、現在の地上波デジタル放送における標準的な規格となっています。

迫力を増すために、どんどん横長のサイズになっていきました。スマートフォンにおける動画配信サービスでも最もメジャーな縦横比となっているため、全ての年齢層に関して最も馴染みのあるサイズと言うことができます。

ワイド比率とも言われており、横の範囲の比率が大きくなっているためダイナミックに風景を写したい際におすすめです。

更に最近では、ビジネスシーンでも動画コンテンツをさまざまな形で活用できるように16:9のアスペクト比で作るケースも多くなっています。

アスペクト比 9:16

最近では「16:9」縦横比を逆転させた「9:16」も増加傾向にあります。

映像が映し出される広さと臨場感の関係などから、人間の持つ視覚特性や心理的効果を研究した結果「5:3」のアスペクト比が最適とされましたが、後に映画との互換性を考慮して16:9となりました。

そのため、ハイビジョンテレビが普及しつつある現在ではこのサイズに近づけるため16:9が多くなっています。

動画SNSでも16:9が少しずつメジャーになりつつあることから、視聴者をスマートフォンユーザーに絞った動画を作成する場合にはおすすめのアスペクト比となっています。

アスペクト比 1:1

「1:1」のアスペクト比は、縦横の比率が同じ正方形の比率です。

スマートフォンの普及に比例して少しずつ増え始めたアスペクト比で、特徴としてはシンプルなコンパクトサイズでありながら人物や風景などの被写体を主張できることにあります。

縦横比率が同じであるため構図の遊びが少ないことがメリットですが、パソコン上で動画を再生するとコンパクト過ぎてどうしても違和感を感じてしまうため、利用媒体が限定されるアスペクト比となっています。

1本当たり30秒から1分程度のスマートフォンの動画広告に使われることが多いため、スマートフォンユーザーをターゲットとした動画に最適です。

アスペクト比 16:10

「16:10」のアスペクト比は「WXGA」とも呼ばれ、主にパソコンを使用するビジネスシーンで使われる比率です。

国内のパソコンメーカーでは一部の機種を除いて長期間に亘って16:10のアスペクト比が使われており、画面の縦方向を少しでも長くすることで得られる作業環境は縦スクロールの多いWeb等の情報取得作業に便利です。

アスペクト比を16:10に変えることのメリットのひとつに、視野角があまり狭くならないのに個々の画像が大きく見えることにあります。

また、ホームシアター用プロジェクターのエントリーモデルの映像でも多く使用されるアスペクト比となっています。

アスペクト比 2.35:1

「2.35:1」のアスペクト比はシネマスコープとも呼ばれ、映画館などで上映される映像で最も多い比率です。

映画をテレビで見る場合に画面設定をシネマスコープに変更できるテレビも多くなっており、一部のミュージックビデオやテレビCM、ドラマなどでも使われることが増えてきています。

動画配信サービスでも映像の上下に黒い帯が表示されて映画のような見せ方ができたり、コントロールバーやタイトル文字が映像にオーバーレイされる効果を狙ってあえて2.35:1のアスペクト比採用するケースも多くなってきました。

一般的なワイドサイズとは異なった雰囲気を演出できることが特徴です。

アスペクト比まとめ

アスペクト比は、動画の制作において解像度とともに重要なポイントとなっています。

フォーマットや媒体によって最適な比率が異なるため、このアスペクト比を常に念頭に置きながら動画制作することが大切です。

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