マーケティングオートメーションとは?導入前に概要を知ろう

最終更新日 : 2016-03-16 Box

ここ2年ほどで急激に見かける機会の増えた「マーケティングオートメーション」。
マーケティングをオートメーション(自動化)できるならば、楽に売上アップが期待できるのでは?
と、安易に導入を決断する経営者はもちろんいないと思いますが、しっかり理解しないままになっている方は意外と多いのではないでしょうか。

このページで、マーケティングオートメーションの目的、出来ることをしっかりとマスターしましょう。

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1.マーケティングオートメーションとは

1-1.何が出来るモノなのか?

マーケティングオートメーションとは、

  • 登録フォーム
  • メール配信
  • キャンペーン管理
  • リード管理、分析
  • スコアリング

などがまとめて行えるツール(プラットフォーム)のことです。
(各社の提供するものによって搭載されている機能は若干異なります)

1-2.何を「自動化」するのか?

マーケティング活動は、

  1. リードジェネレーション(見込客を集める、獲得する)
  2. リードスコアリング(見込客を点数化する)
  3. リードナーチャリング(見込客を育成する)

の3つに分けられます。

このうち、リードジェネレーション以降の「スコアリング」「ナーチャリング」を自動化出来るのが「マーケティングオートメーション」です。

リードを獲得した見込客に対し、「最適なコンテンツを、最適なタイミングで、最適な方法で届け」ることで、成約への見込みを高めていくことが可能となります。
これが見込客を育成する「ナーチャリング」に該当するものですが、その「最適」を決めるために必要な要素が「スコアリング」です。

1-3.スコアリングとは?シナリオとは?

スコアリングとは?
例えば家電量販店で、商品を売りたい販売員は、来店した見込客がどのくらい関心を持っているか、購買プロセスのどのあたりの段階にあるかによって、アプローチの方法を変えて接客します。

・何かお探しですか?
・どういったものを考えていますか?
・お客様の用途なら、こんな機能がついているものが良いですよ
・例えばこちらの商品だと、こういったことができますよ
・今なら◯万円でお買い求めいただけますよ

マーケティングオートメーションにおいても、見込客がどの段階にあるのかを判断し、その段階に応じたコンテンツを提供することが必要となります。
リードを獲得した見込客がどんな行動をとったかを記録し、「この見込客はこの段階にいる」と評価付けをするのが「スコアリング」です

見込客の動きを想定して、「この行動をしているからこの段階だ」とスコアリングし、「この段階に達したらこのメールを配信」とどのようにアプローチするのか、事前に設定をします。
それが「シナリオ」と呼ばれるものです。

シナリオを設定して、それに従って動かすことで、はじめてマーケティングオートメーションが機能することになります。

2.マーケティングオートメーション導入で得られる効果

マーケティングオートメーションを導入することで得られる効果は、主に以下のような点が挙げられます。

  • 全ての見込客に漏れなく細やかな対応ができる
  • 成約率の向上につながる
  • アフターフォローも可能

2-1.全ての見込客に漏れなく細やかな対応ができる

マーケティングオートメーションについて、ある人が「見込客全員に営業マンを張り付かせるようなものだ」と言っていましたが、わかりやすい喩えです。

見込客の動きを常に確認し、その時のタイミングに応じて適切な対応が可能となる。こうした「One to Oneマーケティング」が実現できるのが大きな効果のひとつです。

2-2.成約率の向上につながる

成約率が上がるから導入するというのはもちろんなのですが、マーケティングオートメーションを導入することによって、これまでは手が回らず成約に繋げることができなかった見込客に対してもアプローチしていくことが可能となります。

2-3.アフターフォローも可能

これはBtoBに限らずBtoCにも言えることですが、成約後のアフターフォローが出来るのもマーケティングオートメーションの効果です。
あるサービスの「便利な使い方」を教えるメールを送ったり、消耗品やオプションの追加購入を促す広告を表示させたり、成約後も長い付き合いを保つことが可能になります。

3.マーケティングオートメーションを導入すれば安心なのか?

ここまでマーケティングオートメーションの良い所を紹介してきましたが、ではすぐにでもどの企業も導入するべきなのでしょうか。
冒頭にも書いたように、マーケティングオートメーションの認識が「楽に売上アップできるツール」のままだと、導入することでデメリットの方が多くなってしまうかもしれません。

3-1.「MA」という機械を導入するわけではない

マーケティングオートメーションは、電源を入れるだけであれこれやってくれるロボットではなく、あくまでツール(プラットフォーム)です。
これまで紹介してきたように、見込客にどうアプローチしてどう育成させていくかをしっかりと考え、設定を行う必要があります。

3-2.ただのメルマガ送信ツールに成り下がってしまわないように

繰り返しになりますが、マーケティングオートメーションは、スコアリングした見込客に対して「最適なコンテンツを、最適なタイミングで、最適な方法で」届けるためのツールです。
よくわからないまま、あらゆる機能を一気に使おうとしてもうまくいかないでしょうし、逆に細々と使う程度であれば、わざわざ導入する意味がありません。
導入したら即売上アップとは決して考えず、マーケティングオートメーションを少しずつ「自分たちのもの」にしていくことが大事なのではないでしょうか。

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4.マーケティングオートメーションを上手に使うために必要なこと

マーケティングオートメーションを成功させるには「シナリオ」の設定が重要であるというのはもうわかっていただけたかと思います。
では、シナリオを設定するのに必要な情報は何でしょうか?

4-1.見込客となるターゲット像(ペルソナ)を明確にする

ペルソナが重要
まずは「誰をターゲットに据えるのか」が重要です。
ターゲット像を明確に作り上げていくことで、どういう行動パターンをとるのか、またどのように関心を高めていけば良いのかなどを組み立てる際に、チームで考える方向を明確にすることが出来ます。
こうしたターゲット層のことを心理学用語から転じて「ペルソナ」と呼びます。

・年齢 ・性別 ・学歴 ・家族構成 ・仕事 ・役職 ・性格 ・趣味 
・1日のタイムテーブル ・よく見るサイト ・よく読む雑誌 ・SNS ・・・など、

できるだけ細かく、まるで実在する人物かのように決めていきます。
そうすることで、この人がどこで自社のサービスや製品の情報に触れるのか、関心をもつのか、などを組み立てていくことができます。

ペルソナを作り上げていく段階では、既に保有している見込客や顧客のデータを元にしたり、ターゲット層となる実在の人たちに取材をしたり、既にそういった見込客と接している営業部門にヒアリングをしたり、実際の情報を元に組み上げていきます。

ペルソナが固まったら、彼(彼女)がどのように購入・契約にたどり着くのかをシミュレーションしていくのです

4-2.カスタマージャーニーマップ

ペルソナともうひとつ、「カスタマージャーニー」という考え方も有効です。

カスタマージャーニーとは、見込客がある製品を購入したり、サービスを利用したりする際に、それまでの過程のさまざまな段階における顧客のニーズを満たすために用意すべき施策、また、その施策によってもたらされる顧客の感情の動きなどを整理していく手法です。

これを時系列に沿って図示化したものが、「カスタマージャーニーマップ」です。

カスタマージャーニーマップを作ることで、どの段階でどういうコンテンツを出せば良いのかという「シナリオ」の作成に大いに役立ちます。
また、マップを共有することで、ペルソナ同様に、チームで同じ方向を向くことが出来るのです。

こちらも、実際の顧客や見込客のデータ、ターゲット層への聞き取りなどを参考に作り上げていきます。

5.マーケティングオートメーションは簡単ではない!?

こうしたステップを経て、シナリオを設定し、マーケティングオートメーションを稼働させていくことになります。もちろん、1回で全てがうまくいくとは限りませんから、結果の分析なども加えつつ、シナリオをブラッシュアップし続けることが重要です。
MAを導入すれば、これまで逃してしまっていたような見込客をすくい上げたり、全体的な成約率を向上させたりも望めますが、それはこれまでに紹介したような「準備」がちゃんと出来ることが前提です。

導入後、業務の負担となってしまうことのないように、最適なタイミングと計画が必要になります。

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