LTVとは?算出方法やLTVを向上させるポイントを解説!
LTV(ライフタイムバリュー)はマーケティングにおいて非常に重要な存在です。
顧客の満足度を高めるために重要な指標なので、十分な知識を身につけておくことが大切だと言えます。ここでは、LTVに関する基本的な情報から算出方法、LTVの向上させ方まで分かりやすく紹介するので、しっかりと理解を深めておくと良いでしょう。
LTVとは?
Life Time Valueの略称であるLTVは、日本語では顧客生涯価値と表現することができます。
ある顧客が一生のうちで自社の製品やサービスをどれほど購入したり利用したりしてくれるのか、つまり、合計でどれほどの利益をもたらしてくれるのか示した数値です。
LTVはどのような商品を取り扱う場合でも参考になるわけではありません。マイホームのように一生のうちに購入する回数が少ないものは、LTVの値を参考にすることができません。
継続して利用してもらえるような商品やサービスを取り扱う場合に、LTVの存在が重要となってきます。
LTVの高い顧客はその企業の熱狂的なファンであり、そういった顧客と良い関係を築いたりファンになる人を増やしたりすることで、企業の利益をアップさせることができるでしょう。
LTVが注目される背景
LTVが注目されるようになった背景には、これと親和性が高い顧客関係管理であるCRMの普及があります。
CRMによって顧客との良好な関係を維持したり、新しく関係を築いたりすることで企業は収益を出すことが可能ですが、効果的なCRMの実現にはLTVを参考にして分析を行い、新たな手法を考えていくことが重要でした。
近年では企業の高効率化や収益向上をスピーディーに実現しなければならないことも、この指標が注目されるようになった理由の1つです。
どんどん新しい商品やサービスが誕生しているため、LTVの指標を参考にしながら素早く高効率化や収益向上を実現することによって成功することを期待している企業が増えていることを知っておくと良いでしょう。
LTVの計算方法
算出方法は非常にシンプルであり、平均購買単価と購買頻度、継続購買期間の3つの数値を掛け合わせるだけです。
たとえば、毎月定期購入することになる1つあたり1,000円の商品を販売しているときに、年間20%の顧客が離脱すると次のような計算式になります。計算式は1,000×12×5となり、LTVは60,000です。
平均購買単価が1,000円、購買頻度が12回、継続購買期間は20%で1/0.2と計算できるので5年となります。
導き出された数値から分かることは、顧客を1人獲得すればその後年間60,000円の売上が見込めることです。
費用を考慮したい場合は、ここから新規獲得費用と顧客維持費用の合計を引くことで費用のことも考えたLTVが算出できるでしょう。
LTVを上げるポイント
計算で導き出されたLTVの値が小さければガッカリするかもしれませんが、LTVは上げることができます。
アップさせるポイントを紹介していくので、参考にしてみてください。
1.ARPU(平均購買単価)を上げる
LTVを効率的に向上させるためには、ARPU【平均購買単価】を上げることが重要です。1つの製品やグレードしか用意していなければ、顧客1人あたりの購買額を増やすことが難しくなります。
グレードの高いプランを用意するアップセルという手法を用いたり、オプション項目を用意するクロスセルという手法を用いたりすることによって、1人あたりの購買額を増やすことができれば、LTVを向上させることが可能です。
ある研究では解約率が低いサービスを提供する企業はクロスセルを多く行っている傾向があるという報告もされており、クロスセルを取り入れてARPUを向上させる方法はとても有効性が高いと言えます。
2.購買頻度を上げる
購買頻度を上げることも、LTVを高めるために重要なポイントです。
定期的に商品を購入したりサービスを利用したりしてくれる顧客数が多かったとしても、LTV をアップさせることは難しいと言えます。
1年に1回しか購入してくれない顧客ばかりでは、LTVを上げることが困難です。収集した顧客データから最適なアプローチ方法を模索して実施することで、顧客1人1人の購買頻度が上げることが大切だと言えます。
何もしないままで購買頻度がアップする可能性は極めて低いので、企業側から顧客に合った働きかけを行っていくことが重要です。
3.顧客維持率を上げる
顧客維持率を上げることも大切です。たくさんの人が利用してくれるとしても、すぐに離脱する人ばかりでは安定した収益を出すことが難しいと言えます。
興味を持って1度使ってくれる人がいたとしても、2回目の利用がなければそのうち利用してくれる人があらわれなくなり、収益を上げることが困難になるはずです。
継続者に特別なオファーや割引といったお得な提案を行うなど、解約や離脱を防ぐ工夫を取り入れることによって、継続的に利用してくれる顧客を確保することができます。
顧客維持率が高まれば、LTVも高めることができるでしょう。
4.顧客数を増やす
顧客数を増やすことも大事です。商品をたくさん買ってくれる顧客がいたとしても、人数が少なければLTVが上がりづらくなります。
既にサービスを利用してくれている顧客を大切にすることも重要ですが、それと同時に新規顧客の獲得にも力を入れることが大事です。
CRMを活用することによって、着実に顧客を増やしていく方法が成功しやすいと言えます。
見込み顧客にターゲットメールを送る方法などを取り入れながらアプローチすることができれば、商品やサービスに興味を持ってもらうことができ、顧客化に成功する可能性が高いことを知っておくと良いです。
5.獲得コストを下げる
自社の商品やサービスを利用してくれる顧客を獲得することができたとしても、獲得できた人数や顧客の購入金額に対して、投入コストが高すぎれば意味がありません。
費用を考慮しなければLTVが高くなりますが、これを含めてLTVの計算を行うと、この数値の低下を招くことになります。
顧客を獲得するために働きかけるのであれば、投入コストと予測される成果から費用対効果が良いかどうかチェックしておくことが大事です。
リーズナブルな価格で見込み顧客にアプローチできるシステムを導入したり、お金をかけずに自社をアピールする方法を考え出したりする必要があります。
6.メール配信の活用
メール配信の活用も効果的です。商品の購入に最適なタイミングなどを考慮してリマインドメールを配信したり、顧客にとって重要な情報が含まれるメルマガを配信したりすると良いでしょう。
リマインドメールを適切なタイミングで送信することができれば、自社の商品やサービスを有力な購入候補にしてもらうことができます。
1度購入されても継続して購入してもらえるかどうか分からないので、リマインドメールを送信しておくことが大切です。
メールマガジンは商品を売り込むためのものになると顧客の心が離れてしまうので、商品のユニークな使い方や商品に関係する有益な情報を紹介すると成果に繋がりやすいと言えます。
7.ロイヤリティ向上と解約率を下げる
ロイヤリティを向上させることで解約率を下げることも大切です。商品やサービス、企業への愛着がわいたり、リピートする意思が強くなったりすると、他の商品やサービスに乗り換えられる可能性が低くなります。
ロイヤリティが向上した顧客はリピート率が高くなりがちなので解約率の低減にも繋げることができますし、顧客単価アップを狙うことも可能です。
顧客のロイヤリティを上げるためには、one to oneマーケティングと呼ばれる、顧客それぞれに合わせたマーケティングが効果的であり、1人1人に特別なアプローチを行うことでこれを実現することができます。
LTV向上にMAツールを活用する
LTVを向上させるためには、MAツールを活用することも効果的です。one to oneマーケティングによって丁寧に顧客と向き合えばLTVが向上しやすくなりますが、それを実施するためにもMAツールが重要だと言えます。
MAツールは主に見込み顧客の管理や育成に役立つシステムが搭載されているため、効率的に働きかけていくことが可能です。
顧客情報を集めて管理できるだけでなく、その情報を活用して商品やサービスの購買意欲が高まるメールを配信したり、行動履歴の分析からスコアリングを行って今後のアプローチ方法の考案に役立てたりすることができます。
人の手で作業を行うと膨大な時間や労力が必要となるので、MAツールを活用するべきだと言えるでしょう。
LTV向上にCRMを活用する
CRMを活用することも重要です。LTV向上のためにCRMを活用すれば、蓄積された顧客の行動やニーズなどの情報を参考にしながら顧客との関係をより良好なものにしていくことができます。
CRMはただ顧客の情報を管理するだけでなく、企業内で情報を共有することが可能です。
従来の営業担当者だけが情報を有するスタイルでは、担当者が不在のときに問い合わせがあっても上手く対応できないという問題が起こることが多かったと言えます。
CRMによって従業員全体が顧客の情報を共有しているため、担当者に関係なく素早くアプローチできるようになるので、結果として顧客の満足度を高められるはずです。
顧客満足度が高まると購買金額や頻度のアップ、契約期間の延長などの嬉しい結果に繋がるので、LTVを上げたい場合はCRMも活用すべきだと言えます。
LTV(ライフタイムバリュー)まとめ
LTVはマーケティングを行う上で非常に重要な存在です。言葉自体は知っているけれど算出方法や向上させ方を知らない人は多いので、正しく詳しい知識を身につけておくことが大切だと言えます。
具体的な特徴や手法を知っておくことによって、LTVを上げることができ、自社の売上も伸ばせるようになるはずです。
紹介した内容を参考にしてLTVをアップさせることで、企業の成長に繋げることができるようにしておくと良いでしょう。