「お疲れ様です」の正しい使い方、間違った使い方、言い換え表現を解説

最終更新日 : 2021-12-13 Box

「お疲れ様です」「ご苦労様です」を日常的に使っている人は多いはずです。

何気なく使っているかもしれませんが、意味や利用シーンを知らなければ相手から失礼だと思われてしまう可能性もあります。

ここでは「お疲れ様です」「ご苦労様です」の意味や使い分けについて詳しく解説するので、社会人として正しく理解した上で使えるようにしておきましょう。

「お疲れ様です」の意味

日常的に使用する人が多い「お疲れ様です」は、相手の労をねぎらうためのあいさつ言葉です。

ねぎらうには「いたわり」や「感謝」の意味があります。つまり、「お疲れ様です」と伝えることは、相手の働きに対して感謝の気持ち、いたわりの気持ちを示すことだと言えるでしょう。

「お疲れ様です」は目下の人が目上の人に使うべきではないと勘違いしている人もいますが、意味を考えると分かるように、身分を意識せずに使って良い言葉です。

「お疲れ様です」の利用シーン

色々なシーンで「お疲れ様です」を使うことができます。

代表的な利用シーンを解説するので、適切な場面で活用できるようにしておきましょう。

1.仕事へのねぎらい

まずは、仕事に対するねぎらいの言葉として「お疲れ様です」を使うことができます。

仕事を終えた人に対して、ねぎらいの意味を込めて「お疲れ様です」と声をかけることが可能です。

先ほども述べたように上司から部下、部下から上司のどちらでも使うことができます。

部下が上司に声をかけるときには「お疲れ様です」と短縮しない形で用いられますが、上司が部下に、先輩が後輩に声をかけるときには「お疲れ様」の形になることが多いです。

2.あいさつ

ビジネスシーンでは、ねぎらいの意味だけではなくあいさつ表現として使われることも少なくありません。

仕事が終わったかどうかに関係なく、「お疲れ様です」とあいさつすることは多いです。

出社したときに既に業務を始めている人に対して、「おはようございます」や「こんにちは」ではなく、「お疲れ様です」と声をかける人は多いと言えます。

同僚や後輩には「お疲れ」「お疲れ様」、上司には「お疲れ様です」の形で使うことが一般的です。

ただし、あくまでも社内で使うあいさつ言葉であり、他社の社員には使うべきではありません。

3.電話やメールなどの定型句

電話やメールでは定型句として用いられることが多いです。

いきなり名前や本題を書いたり伝えたりするよりは、ワンクッション置くために「お疲れ様です」の言葉を用いることがおすすめだと言えるでしょう。

メールを作成するときには、「お疲れ様です」の後に自分の名前を続けるような使い方をします。

対面で使うときと同様に同僚や後輩には「お疲れ」「お疲れ様」と短縮した形で使っても構いませんが、先輩や上司には「お疲れ様です」と丁寧な形で用いるべきです。

電話やメールであったとしても他社の人に使用するべきではないので注意が必要だと言えます。

社外の相手に対しては「お疲れ様です」ではなく、「いつもお世話になっております」の形が一般的です。

「お疲れ様です」利用の注意点

複数の意味で使える「お疲れ様です」は便利ですが、利用してはいけないシーンや注意点を理解しておくことが大事です。

使ってはいけないシーンは、身内以外に使うときです。

身分に関係なく使えますが、社外の人にねぎらいの意味が込められていることもある「お疲れ様です」を使うと失礼だと思われる恐れがあります。

「お疲れ様です」と社外の人から言われることを気にしない人もいますが、できれば社外の人には他の言葉を使うようにしてください。

お客様に対しても絶対に問題があるとは言い切れませんが、軽い印象を与えることになるので避けたほうが良いです。

代わりに「ご苦労様です」を使おうと思うかもしれませんが、こちらも上司や取引先、お客様に使うべきではないので、「ご苦労様です」も使わないようにしてください。

「お疲れ様でございます」は間違い?

「お疲れ様でございます」という表現がありますが、これは二重敬語になるのではないかと悩んでしまう人が多いようです。

「お疲れ様です」と「ございます」で敬語が重複しているように思えるかもしれませんが、名詞の「お疲れ様」に助詞の「で」、丁寧語の「ございます」がくっついているため、分解すると「お疲れ様でございます」は間違いではないと分かります。

文法上、正しい構成となっている言葉なので安心して使うことが可能です。

より丁寧な印象を与えることができるため、上司やお客様などに「お疲れ様です」と同じ意味を持つ言葉を使いたい場合に便利だと言えます。

「お疲れ様です」の言い換え表現

「お疲れ様です」が使えない上司や他社で働く人に対しては、別の言葉を使用すると良いです。

これから「お疲れ様です」の言い換え表現を紹介するので、参考にしてください。

1.感謝やねぎらいの表現

感謝やねぎらいの意味を込めたい場合、他の言葉に変換することが可能です。

上司が外出先から戻ってきたときには「お帰りなさいませ」と表現することができます。

「お帰りなさいませ」であれば、感謝と敬意の両方を伝えることが可能です。社外の人と会議や打ち合わせを行う場合、最後には「お疲れ様でした」と言いたくなるかもしれませんが、「本日はありがとうございました」と言い換えることができます。

「お疲れ様です」よりも丁寧に感謝やねぎらいの気持ちをあらわすことができるため、こちらの言い回しを積極的に用いることがおすすめです。

2.あいさつの表現

あいさつとして使いたい場合も他の言葉に変換することができます。

出社時に目上の人にあいさつする場合や朝に待ち合わせを行うときには、「おはようございます」を使うことが可能です。

ビジネスシーンでも使えるあいさつなので、安心して使って良いと言えます。上司や先輩よりも先に退社するとき、「お疲れ様です」と退社することもできますが、「お先に失礼します」と伝えることも可能です。

申し訳なさを出す必要はないので、元気に「お先に失礼します」と伝えることで良い印象を与えましょう。

セミナーなどで取引先の人と会ったときなどに自分たちが先に帰る場合も、「お先に失礼します」と伝えることがおすすめです。

3.電話やメールなどの定型句での表現

電話やメールで「お疲れ様です」を使いたい場合は、「いつもお世話になっております」に言い換えることをおすすめします。

社外の人が相手であればこの言い換えがおすすめですが、社内の「お疲れ様です」を使いにくい上司や先輩には、時間に合わせた「おはようございます」のようなあいさつにしても良いです。

また、「お忙しいところ失礼いたします」と表現することもできます。

定型句となっているので言い換えは難しいと感じられるかもしれませんが、この3つの言い換え方を知っておくと幅広いシーンで問題なく利用することができるでしょう。

「お疲れ様です」と「ご苦労様です」の違い

「お疲れ様です」と「ご苦労様です」の違い

「お疲れ様です」と「ご苦労様です」は、同じように使える言葉だと思っている人が多いです。

「ご苦労様です」もねぎらいを示していますが、「ご苦労様です」は目上の人が目下の人に使う言葉とされています。

上司が部下に向かって「ご苦労様です」と言うことはおかしくありませんが、一般社員が上司に向かって「ご苦労様です」と言ってはいけません。

「ご苦労様です」は誰にでも使って良い言葉ではないので、使いたい相手と自分の関係性を考慮して使う必要があります。

「お疲れ様です」と言葉の意味はほとんど同じ「ご苦労様です」ですが、使える相手やシーンは違ってくることを理解しておかなければトラブルの原因となるかもしれません。

対面ではもちろんのこと、メールや電話の場合も目上の人や社外の人に「ご苦労様です」と言ったり書いたりしないようにしてください。

後輩には使って良いですが、それ以外は「ご苦労様です」を使わないほうが無難です。

英語表現での「お疲れ様です」

英語表現での「お疲れ様です」

英語では日本の「お疲れ様です」のように、ねぎらいやあいさつを1つで表現できる言葉がありません。

それぞれに別の表現があるので、詳しい内容を紹介します。

1.仕事へのねぎらいの英語表現

仕事へのねぎらいをあらわすときには「Good job」や「Well done」を用いるケースが多く、どちらにも「よくやった」という意味が込められていることを知っておきましょう。

2つは目上の人が目下の人に使ったり同僚同士で使ったりする言葉です。

「Thank you for your hard work」であれば、「一生懸命働いてくれてありがとう」の意味を込めることが可能です。

「Thank you for」から始まる表現であれば、目上の人にも使うことができます。英語は敬語がないと言われることが多いですが、立場によって使い分けるべきなので、誰に使える言葉であるかも覚えておくことが大事です。

2.あいさつでの英語表現

あいさつとして使いたい場合は「How’s it going」で「調子はどう」と尋ねることができますし、「How’s the work progressing」で「仕事は進んでいますか」と聞くことができます。

「お疲れ様でした」は「Have a nice evening」、「また明日」は「See you tomorrow」と表現することが可能です。

日本語と違って利用シーンに応じて色々な使い分けをするべきだと言えます。

「お疲れ様です」をあいさつ代わりに使うときには、そのまま相手の調子を尋ねたり、お互いに頑張ろうという鼓舞の意図があったりすることが多いですが、紹介した内容を覚えておけばそういった表現が可能となるはずです。

3.電話やメールなどの定型句としての英語表現

日本では「お疲れ様です」や「ご苦労様です」を電話やメールの際にも使いますが、英語表現でも定型句があります。

「Hi」から始まるケースは非常に多く、その後に相手の名前が記されることが一般的です。

比較的カジュアルな表現方法なので、面識のない相手とやり取りする場合は「Dear Mr.」もしくは「Dear Ms.」の後に名字であるラストネームをつけると良いでしょう。

口頭では「How are you」で「お元気ですか」と尋ねることができますが、メールの場合は「Hope you are doing well」のような「お元気だと良いですが」と表現します。

取引先や同僚、初対面の人など全てに使えるので、汎用性が高くて便利です。

社会人として適切な使い分けを心がけましょう

「お疲れ様です」や「ご苦労様です」を気軽に使う人は多いですが、意味と利用シーンに対する十分な理解がなければ、そのようなつもりがなくても失礼だと思われる可能性があります。

日本人にとって「お疲れ様です」や「ご苦労様です」は身近な言葉なので、明確な意味や正しい使い方を知らないまま何となく使ってしま人は多いです。

もしも、使い方を間違っていたのであれば、正しく「お疲れ様です」と「ご苦労様です」を使えるようにしておきましょう。

 

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